超長編の映画をみた機会に映画の話をちょっと。まずこのウルトラ長尺物だが、上映になにしろ6時間と39分かかるので、休憩が3回も入るし、終わったら夜の9時15分である。観客は大河小説を読み終わったような気分でよろよろと立ち上がり、帰途につく。イタリア映画 「ジョルダーニ家の人々」 は、失礼ながら長さのゆえにも観客の心に居続けることだろう。いつしか家族の一員になった気分で、国を超え人種を超えて共通する人間性を私は強く感じたように思う。
さてと、忘れがたい映画が山ほどある中で、スウェーデン映画が近年キラキラ光った。2010年には社会性も娯楽性も十分な 「ミレニアム」 3部作が強烈に我々の心を揺さぶり、正義感を刺激した。何より、面白かった。
しかし、心の深いところに沈着したあとじわじわと浮上してくるものとしては、私の場合、2006年にみた 「歓びを歌にのせて」 に及ぶものはない。毎度、ボディーブローのように効いて、ストーリーや情景が感動と共によみがえるきっかけは、実は1枚のCDである。この映画の音楽がまだ耳の奥で鳴っている間に、ある書店のCD売場でそれが見付かった!映画の直後に関連CDが見付かるという成功例にならったのがズバリ当たって、二匹目のドジョウを捕まえることが出来たのだ。サウンドトラックから収録された15曲はどれも素晴らしく、聴くたび、ペールギュントの名演に初めて接した時のように心を震わせる。
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アカデミー外国語映画賞にもノミネートされたこの名作を私が密かに鑽仰していたところ、去年の11月16日に至り、わが意を強くする一文が新聞に出た。映画界の全面広告に、年間600本の映画を見るといわれる映画コメンテーターの LiLiCo が 「私の生涯ベスト1は、今のところ 2004年に公開されたスウェーデン映画 『歓びを歌にのせて』 です。云々」 とながながと話している。彼女のトークからは映画芸術への真摯な姿勢がうかがわれ、とてもスウェーデン生まれの贔屓とは思えない。ついでながら、映画評論家の秦 早穂子もこの映画を力強く支持している(2005年12月)。
( 2012/08/22 )
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