Betelgeuse はオリオン座の首星で、地球から640光年ほどの近さ(!)にある。円形ではなく、大きなコブがある。赤色超巨星の一つであり、その最期を世界中が注目している。我々の太陽など比べ物にならないほど巨大な(直径が太陽の1,000倍)この星が爆発したら、地球は一体どんな影響をうけるのか、よくは分からないらしいのだ。いつかチャンスがあって、そこそこの望遠鏡でこの星をのぞけたらどんな気分になるだろうかと、想像するだけでゾクゾクしてしまう。
話かわって手作りの名刺に、肩書きがない腹癒せにってこともあるまいが、
詩人・画家 (になりたい)
○○ ○○○
とプリントして得意になっている男がいるが、そんなことをしなくても、人は空をつくづく眺めて何がしかの感慨にふけることがあれば、もう半ば詩人になっているのだと思う。
空には果てがない。東北地方にも、浜辺が純白のニューカレドニアにも、赤いバスが走るロンドンの上空にも通じている。昔の人はそんなところを通って旅が出来るとは夢にも思わなかったろうが、今では空を突き抜けて宇宙まで行ける。鰯雲は秋こそ自分の季節とばかり空一面を埋めつくそうとするし、飛行機雲も今は一段と鮮やかである。この秋、空がやたらと気になったのは、何百万もの人々が東北につながる空に今更ながら気付いて天を仰いだであろうし、多くの人がそのことに我知らず共感していたからではなかろうか。
ことしの秋空は、人々がかけがえのない、懐かしい面影を思い描くキャンバスとなったにちがいない。そして、津波に肉親や親友を奪われた子供達は、涙でにじんだ夜空の星に言葉もなく祈ったにちがいない。
( 2011/10/26 )
|