第39話 : エッセイ
2010/4/19
砂時計
 
 

あなたは砂時計を持っていますか?
   砂時計は好きですか?
              もしそうなら、砂時計を使っていますか?
用途は何で、どんなふうに?


私は少年時代から憧れの小物がいくつかあった。オルゴール・ハーモニカ・テニスのラケットなどであったが、少し遅れて砂時計もそのひとつとなった。何故と問われれば、それらはみな、カッコよくてロマンを感じさせてくれたからとしか答えられない。あなたにもそんなオタカラがあったように・・・
 
長じて玩物喪志(この表現は少し焦点がずれている感じもするが)という言葉を覚えるまでに、サンダル・万年筆・双眼鏡・カメラ・アーミーナイフ・ピアノ・写真立てなども欲しくなった。いや、覚えてからの今でも、足りるということを知らない。まるで生きているしるしででもあるかの様に。
 
ま、反省は反省として、いまは砂時計についてちょっと考えてみたい。よくは知らないが、たぶん欧米では昔から紅茶を淹れる際によく砂時計を使ったのではなかろうか。今では日本でも洒落た喫茶店では使っている。それから、数年前パリのフォーション本店で、銀色に美しく輝く店名入りの砂時計が紅茶についてきたので、きっと販売もしていると睨んだら、案の定、通りを隔てた売場で買うことが出来た。きのう、久しぶりに手に取るとだいぶ錆び付いて(というか、曇って)いたが、クリストーフルの銀器磨き液ですっかりきれいになった。
 
次はこれも想像の範囲をあまり出ないのだが、「3分間待つ」 インスタント食品の爆発的普及との関係はどうだろうか。麺類に限らず、最近では便利な冷凍食品が多いのがありがたく、独居の日の昼食はこのテですますことが増えた。そこで重宝しているのが1分・3分・5分の3機能を持つ砂時計である。(工夫次第で2分も4分も可能なことは言うにや及ぶ)。ただ、機能一点張りなので、デザインをもう少し工夫してくれれば、と思っている。ともあれ、インスタント食品計時のための砂時計普及率推移なんてものがざっとでも分かれば面白かろう。
ところで、砂時計のことを思うにつけ、パソコンなどの画面で多用されている砂時計のアイコン(というのか?)はスゴイ!と言わざるを得ない。これを思いついた人はノーベル賞に値すると、あなた、思いません?且つ又、それに思い至った私めも何か賞を頂けないものか?ロマンを秘め、あくまでも静かでやさしい、時の忠実なしもべとでもいうべき砂時計のことを考えたひとときであった。
 
 
( 2010/04/19 )

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