第34話 : エッセイ
2009/12/1

希書と紅白歌合戦

   「過去 現在 未来 1901-2000」「過去 現在 未来 1901〜2000〜2100」 というめずらしい本をご紹介します。発行所は明現社、前者は 1972年4月1日、後者は 2000年1月1日にそれぞれ第1版発行となっています。なぜめずらしいかといえば、これは完成した本ではなく、日記帳ならぬ 「年記帳」 として、持ち主が参加(記入)してはじめて完成するようになっているからです。以下の2パラグラフは、編者20世紀研究会の巻頭言の一部をそっくり引用したものです。
   社会や世界の回転のめまぐるしい今日、自分を見失わぬために最もふさわしい手段は <年譜> 的記録である。この本はその発想のもとに考案された。月々幾つかの主要なことを書き止めておけば1年間の自分がわかる。それが累積されてくれば、鳥瞰的に自分の人生の総体が見えてくることになる。
   本の構成は見開き2ページを1年分とし、左を私的年譜、右を世相的・歴史的年譜のページに見立ててあるが、個々にどう使おうと創意のままである。左右の年譜を照応することにより、おのずから私的な20世紀研究になるものと想定している。
 
 
 
 



   右のページは 1971年までは印刷済みで、その右半分は 60行ほどにわたって日付と出来事が書かれており、左半分には新聞写真などが。左のページには 36行の余白があり、その左端には各月の暦が。1972年からこちらは両ページとも真っ白です。試みに 1971(昭和46)年を見てみると、右ページにはまっ先に 「中華人民共和国、国連入り」 と 「1ドル=308円」 の大見出しが躍っています。左ページは 「1/13 一家帰国す。帰郷」 にはじまり、「7/30-31 那須へ一泊旅行」 などなど。こんな具合に、外国にいる間も続けたのですから、我ながら感心です。
   この本との出会いのいきさつは忘れましたが、開くたびに感謝を新たにしています。なにしろ、1978年 10/25 アルジェで赤軍合唱団を聴いたことも、1988年 2/25 上左2本抜歯したことも、右のページでは1994年 2/12 東京は 25年ぶりの大雪とか、1998年 5/14 フランク・シナトラ (82) 死す、とかが記録されているのですから。いっぱしの歴史家になれる、ということかな(笑)。
 
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    この本を開くと、右ページの上から新聞切抜きが1枚ぶら下がっています。紅白歌合戦番組です! 35年ぶん、あります。馬鹿の一つ覚え以外の何物でもありません。師走に入ったことだし、ことしは切りのいい第60回合戦の筈なので打明ける次第です。
   ざっと通覧してみますと、歌われる歌のジャンルは様変わりしましたし、出場者名も歌の題名も、やたらローマ字とカタカナが増えました。放映開始時刻は9時の見当だったのが、8時となり、今では7時20分です。そして司会者の変遷も興味深いものがあります。ともあれ、この番組を見ないで元旦を迎えることは、いつまでも出来ない私です。
               ( 2009/12/01 )     

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